2013年10月25日金曜日

スラジュさん国賠第12回期日終わりました

10月23日(水)10時より第12回国賠期日が行われました。午前中はスラジュさんの死因とされている心臓疾患(心臓房室結節の嚢胞状腫瘍:以下、CTAVNという)の専門医師の尋問、そして午後からはスラジュさんの死因を断定した医師の尋問、そしてその後原告であるスラジュさん奥様の尋問となりました。

今回の注目は、当初は不明であったスラジュさんの死因を、スラジュさんがもともと罹患していたというCTAVNであると2年以上経た再鑑定で断定した池田医師の尋問でした。

池田医師は尋問当初からCTAVNが100%確実な死因と断言しました。窒息死と判断するのは他に明らかな死因がないというのが条件の一つであって、今回は明らかな他の死因(CTAVN)があるのだから窒息死ではない、と話しました。しかしCTAVNに罹患しながら90才ぐらいまで生きた例もあり、CTAVNにかかっていること=今回の死因がCTAVNによるもの、となぜ断言できるのかと問うと、「彼が死んだから」と述べ(!?)、医学的なことは分からない私たちが聞いても全く説得力に欠けた内容でした。
また、「CTAVNがあるのだから他の死因など検討しなくてもいい」、「あの時に死ぬのが彼の寿命だった」など、かなり乱暴な発言もあり、傍聴席からは批判の声が挙がる一幕もありました。
池田医師のこれらの発言から、スラジュさんの死因へのますますの疑念が、傍聴者皆さんで共有されたように感じました。

その後の奥様の尋問では、「(前回の入管職員の尋問内容などから)夫が人として扱われていないと感じた」、「こんなつらい思いをするのは私を最後にしてほしい」など、裁判長に一番伝えたいことが奥様本人の口から直接述べられました。



裁判後の報告会では、弁護団のほうから、今回の尋問では弁護団が望んでいた内容の発言がおおむね引き出せたとの報告があり、次回の最終弁論に向けて突き進んでいく考えが共有されました。

次回最終弁論は2014年2月3日(月)15時より705法廷(法廷は変更の可能性あり)で行われます。
ぜひ、皆さんお誘いあわせの上、最終弁論の傍聴協力、よろしくお願いいたします。

(写真は報告会での弁護団の様子)



 

2013年10月18日金曜日

ボランティアの感想(趙さん)

趙憲来と申します。日本生まれの在日韓国人三世です。APFSには、3カ月程前からボランティアとして参加させて頂いております。この間、外国人向けの健康診断やグローバルフェスタなどの催しに参加させていただき、様々な国籍の人たちと接する機会を得ました。僅かな時間ですが、これまで余り馴染みのなかったネパールやバングラデシュ、ミャンマーの人たちと交流することができ、とても新鮮な経験となりました。

APFSの存在を知ったのは10年余り前、ちょうど非正規の外国人に対する取り締まりが盛んにおこなわれていたころです。当時私にも非正規滞在で逮捕拘留された中国人の友人おり、収容先に面会に行っていました。確かにオーバーステイは違法行為に違いないのですが、面会室のガラスの向こうで日増しに憔悴していく彼の姿に「日本で働きたいだけの人に、ここまでしなければならないのか」と疑問に思っていました。ですので、APFSが「在留特別許可を求めて非正規滞在者を一斉出頭させる」というニュースに接した時には強い共感を覚えました

異国で暮らす外国人にとって、安定した在留資格は、将来を考える上でとても大切です。現在、オールドカマーと言われる私たち在日コリアンには、「特別永住」という比較的安定した在留資格があります。指紋押捺の必要もありませんし、登録証の携帯義務もありません。しかしこれも初めからそうだったわけではありません。最初に声をあげた人がいて、それを支援する多く人たちによって得られたものです。

遅まきですが、私も子供の手が離れ少し自分の時間が持てるようになりましたので、今後は日本で暮らす外国人、特にニューカマーと言われる人たちのために何かできることがあれば、微力ですがやっていきたいと思っています。

2013年10月9日水曜日

スラジュ国賠訴訟次回期日の日程について

いよいよスラジュさん事件国賠次回期日(10月23日(水))が迫っております。
APFSサイトで、すでにお伝えしておりますが、次回は傍聴券は不要となりました。
直接法廷にお越しください。

当日の日程詳細は以下になります。
スラジュさんの心臓を鑑定した医師などの尋問です。
より多くの方の傍聴協力をよろしくお願いいたします。また、裁判終了後に
(17時~)弁護士会館にて当日の尋問内容を報告する時間をとりますので
傍聴と合わせてご参加ください。
 
 ☆スラジュ事件国賠訴訟 第12回期日☆

 日 時 : 2013年10月23日(水)10時から16時半頃まで
 当 日(予定):開廷 10時
          田鎖医師尋問
          午後開廷 13時半
          池田医師尋問
          原告本人尋問
           閉廷   16時半頃     
 場 所 : 東京地方裁判所 706法廷

2013年9月14日土曜日

スラジュ事件報告:入管職員の尋問終わりました

9月13日(金)10時より、国賠訴訟第11回が行われました。今回は送還に同行していた入管職員の尋問ということで、朝9時15分ごろにはすでに傍聴券を求める人の列ができ始め、傍聴席の定員を超えたため抽選となりました。

入管職員5名の尋問では、それぞれの職員が事件直後などに供述している内容と現在の主張との矛盾点などを、弁護団の先生が鋭く突いていきました。こちらが主張している体位性窒息を意識してか、入管職員たちは「前かがみ」について非常に慎重に証言している(偽証している?)ように見受けられました。

また、全ての職員の受け答えから感じたのは、事件当時、被送環者であるスラジュさんへの配慮がまったくなかったということです。
2度目の強制送還だった(1度目は失敗)ため失敗したくなかったと述べる職員(送還の成功が最優先で命は二の次に感じられたのでしょうか?)。以前強制送還時にアフリカ人が暴れた事件があったため注意が必要と思ったと述べる職員(こうしたアフリカ人に対する偏見がスラジュさんに対する乱暴な扱い→死亡事件につながったのではないでしょうか)。スラジュさんの反応がなくなった時に脈を確認できなかったが、演技をしていると思い機内での救護措置は取らなかったと言う職員(演技で脈を止められるわけがありません)。こうした全ての無配慮がスラジュさんの死亡事件につながったと言えます。

今回明らかになった送還のこのような実態はスラジュさんの強制送還においてに限ったことではなく、普段の送還の中でも行われているのです。スラジュさんの死亡事件を契機にこうした送還実態が改められなければ、現状の非人道的な送還を見直す機会が失われてしまいます。この国賠はそういった意味で非常に大きな意味を持つものと実感しました。

次回期日は10月23日(水)です。スラジュさんの心臓を鑑定した医師などの尋問です。次回も10時からスタートで傍聴券配布になる予定です。日程等の変更情報は、APFSサイトなどでアップします。次回も、傍聴のご協力、よろしくお願いいたします。

(写真は裁判後の報告会の様子)


2013年7月9日火曜日

スラジュさん事件をないがしろにした大量送還の決行

7月6日(土)にチャーター機での強制送還が行われました。収容中のフィリピン人75名が一斉に本国フィリピンに送還されました。
皆さんご承知の通り、今から約3年3か月前の2010年3月22日に、当団体が支援していたガーナ国籍のアブバカール アウドゥ スラジュさんが送還中に死亡し、いったん強制送還は中止されていました。しかしここにきて、チャーター機での大量送還が決行されたことを聞き、強い憤りを感じています。

スラジュさん事件で書類送検されていた入管職員は昨年7月に不起訴となり、法務省は同年11月に入管職員の制圧行為は適法であったと公式に見解を出しましたが、まだ国と、同行した入管職員を被告とした国家賠償請求訴訟が続けられています。この裁判の中で、入管の残酷な送還実態などを映したビデオが出されたりと、事件の真相究明が途中の状況です。入管の送還方法に問題があったことが問われている裁判が続行中にもかかわらず、大量送還を決行する無責任な入管・法務省・国のやり方に怒りを禁じえません。

 
 
昨日、スラジュさんの奥様と大量送還が決行された話をしました。「夫の死が犬死だった、悔しい」と奥様は語っていました。現在奥様などが原告となり国賠訴訟をしているのは、今後スラジュ事件と同じようなことが再度起こらないように真相究明していかねばという奥様の強いお気持ちがあります。奥様は日々この気持ちと、裁判を続けることによる精神的ストレスの間で悩んでいます。そこまでして訴訟を続けているにも関わらず、国はこの事件をないがしろにし、再び危険な送還を再開しました。

スラジュ事件の次回国賠訴訟期日は、9月13日(金)10時~東京地裁706法廷です。スラジュさんの送還に同行していた入管職員への尋問が行われます。今回の大量送還、現時点での送還再開がおかしいと思われる方は是非傍聴のご協力をお願いいたします。この裁判に勝ち、現行の送還実態を改めることが必要です。スラジュさんについで第二の被害者を出す前に国は改めるべきです。
 



 

2013年6月26日水曜日

スラジュさん事件 裁判傍聴の感想


こんにちは。
ボランティアをさせていただいている三浦です。

先日行われたスラジュさん事件の国賠が第10回となりました。私は昨年7月末の第5回より傍聴させていただいているのですが、これまでの裁判を傍聴しての感想を書きたいと思います。


ゼミでA.P.F.Sを訪問した事がきっかけでこのスラジュさん事件を知り、その直後に行われた第5回からの傍聴となりましたが、当時から国側の「こちら()には何の非もない」というような主張や、できるだけ裁判を先延ばしにしようとしているような対応が気になっていました。
先月に行われた第9回の裁判では、スラジュさんの送還時の映像も放映され、傍聴された方々は大きなショックを受けたのではないでしょうか。あのような入管職員による送還の実態を見てしまうと、スラジュさん以外にも被害にあわれた方がいてもおかしくないと思ってしまいます。

A.P.F.Sでのスラジュさん事件に関する活動や裁判の傍聴、その後の弁護団の先生からの説明会などで裁判内容の詳細をお聞きする度、改めて入管職員がスラジュさんに対して行ったことは犯罪であると感じますし、また、それを認めようとしない国への不信感が強くなる一方です。

それでもこの件に意欲的に取組んで下さる裁判長にも恵まれ、本年度中の裁決に向けて、裁判は着実に進んでいると感じます。



スラジュさん事件について、多くの方に関心を持っていただくこと、そして傍聴に来ていただくことが、真相解明の大きな力となります。

どうぞ今後とも、裁判傍聴のご協力をよろしくお願い致します。

第10回スラジュ国賠が終わりました

6月24日(月)、スラジュさん事件第10回国賠期日がありました。今回は主に今後の裁判の日程調整でした。裁判長のほうから積極的に、裁判長ご自身が判決を書きたいとの強い意向を示し、今年度中に結審できる日程が組まれました。楽観視はできませんが、この裁判長でしたら公平に見ていただけるのではないかと感じています。

裁判後は弁護団から今後の尋問日程などの確認とこれまでペンディングとなっていた検察審査会についての言及がありました。検察審査会についてはAPFSにも問い合わせが多く「入管職員のやったことは犯罪であるからきちんと刑事罰に処してほしい。不起訴処分が出ても検察審査会の可能性はないのか」という声をいただいていました。検察審査会に起訴相当議決を求める署名も現在1000筆以上が集まっています。弁護団は審査会に関し、タイミングを見て必ず行う、支援者から集まった署名が無駄になることはないと話されました。

以下、今後のスケジュールをお知らせいたします((予定)としたものは変更の可能性があります。その際はAPFSブログ等でお知らせいたします)。

☆ 9月13日(金)706法廷 10時~17時 入管職員4名の尋問
*残り5名の入管職員に関しても在廷させ、必要があれば質問する
☆(予定)10月23日(水)706法廷 10時~17時 関連医師への尋問
☆(予定) 2月 3日(月)705法廷 15時~         最終弁論

 次回9月13日は、スラジュさんを死に追いやり、被告であるにも関わらずこれまで一度も姿を現さなかった入管職員4名の尋問です。皆さまの傍聴ご協力、どうぞよろしくお願いいたします。

2013年6月3日月曜日

スラジュさん国賠 次回期日

スラジュさん事件の国賠訴訟の次回期日が決まりました。

6月24日(月)16時~ 705法廷 です。

今回は主に進捗の確認ということで、被告職員の出頭確保や意見書の見通しなどについて話し合われます。裁判後、別室にて弁護団からこの事件の説明を行います。この間ペンディングになっていた検察審査会についても説明がある予定です。

 
また、入管職員に対する反対尋問期日も決まりました。9月13日(金)10時~17時 706法廷です。平日ではありますが、いよいよ被告職員に対する尋問ですので、より多くの傍聴者にお越しいただきたいと思います。

両日の傍聴のご協力、どうぞよろしくお願いいたします!

2013年5月17日金曜日

ボランティアの感想(朴志修さん)


はじめまして。4月末からAPFSの活動を始めました朴志修と申します。今日で2回目の活動になりました! 

私は去年3月、大学への進学のために来日しました。それまで、韓国でずっと日本語の勉強をしていましたので、自分なりに自信を持っていました。ところが、実際日本に来てみたら、予想のついてなかったハードルが多かったです。お部屋を借りるときには外国人かつ未成年であることで、気に入った部屋があっても契約できなかったり、アルバイト先を探していた時には、外国人だからと言って面接設けられず断れたりしました。また、実際生活で使われている日本語の表現の中には、韓国では学んだことがないものも多く、言語の壁も感じたりして、日本での生活に適応するに苦労をしました。私の友達の中には、このようなことに疲れてしまい、帰国をしてしまった子も何人か出てきてしまいました。

上記の自分の経験から、私のような外国人が日本で良く適応できるように助けてあげたいと思うようになりました。そして、これから外国人労働者が、「外国」という新しい環境で良く適応し、自分の能力を十分発揮でき、企業も労働者も更には受け入れ国と送った国の間で友好関係が形成できるような政策について研究したいという夢を持つようになりました。 

私は幸いにも、優しい友達と周りの様々な方から助けて頂いて、日本の生活に適応することができ、今は日本での留学生活を精一杯楽しんでいます。しかし、周りにも他の所にも未だ日本という新しい環境に適応するための手助けを必要としている外国人の方々が多いと思います。 

そのため、政策で彼らを助ける研究を始める前に、現在自分にできることからやっていきたいと思いました。身近なところで、政策が実際外国人労働者にどのように動いていて、どのような問題が起こり得るのかを分かりたかったです。それでAPFSへのボランティア活動を始め、月曜日には「スラジュさん事件国賠訴訟第9回期日」の傍聴に行ってきました。傍聴に先立ち、自分で調べてみて、在留特別許可に関することなどが色々勉強になりました。

私がやっている活動は国家の次元で支援をすることでもなく、弁護人のように法律的な援助をすることでもありません。ただ、私は現在私が出来る範囲以内で、助けたいという心を込めて活動をしているだけです。まだ、分からないことも多く、自分の夢への道は漠然で先が長いです。ですが、これから少しずつ体験を積み、将来外国人労働者の方々に実質的に役立つ政策の研究の糧にしていきたいです。

2013年5月15日水曜日

スラジュさん事件国賠第9回期日がありました。

 5月13日(月)15時半~東京地裁706法廷にて、スラジュ事件国賠訴訟第9回期日が行われました。傍聴席は満席となり、座りきれない方が外で待っている状態でした。

 今期日では原告側(スラジュ弁護団)の主張が行われました。今回は映像等が視聴できる法廷であり、弁護団はパワーポイントを使ってスラジュさんの送還状況に関する主張の補足、入管職員の行為の違法性、そしてスラジュさんの死因などについての主張を分かりやすく説明しました。その後、それらを裏付ける証拠として、スラジュさんの送還を撮影したビデオの放映をしました。
 放映されたビデオの内容は、航空機のそばに停めたワゴン車から入管職員がスラジュさんを機内に連れて行くほんの5分ぐらいの核心部分だけでしたが、スラジュさんはまったく暴れてはおらず冷静に日本語を話し、そのような状態であったにもかかわらず入管職員は最初から計画していたかのように速やかに足に手錠をかけ、スラジュさんを数人で抱え上げ機内に運び込みました。入管職員の言う、スラジュさんが暴れたために取った行為であるという主張とはかけ離れたものでした。

 数分のビデオ放映でしたが、傍聴者の皆さんはスラジュさんが送還される様子を固唾を飲んで食い入るように見ていました。話として聞いていても、映像で、現実としてスラジュさんの送還状況を見るのは傍聴者皆さんにとってショックだったに違いありません。スラジュさんの従兄弟も裁判を傍聴していましたが、最期のスラジュさんの姿を見ていられなくなり、途中で退室してしまいました。

 
 ビデオ放映の後、裁判長から今年度中の判決を希望するならば早急な尋問を計画し、事実の確定を急ぐよう言葉がありました。被告である国側が、医師の意見を得るために3か月は欲しいと発言しましたが、それに対し裁判長自ら「待てません」と明言しました。

 
 
 裁判後は今回の主張の内容について別室にて質問の時間を取りました。多くの傍聴者がそのまま残り、多くの質問がでました。今後の裁判に有効な意見が出る場面もありました(写真は別室での様子)。

 次回の期日はまだ決まっておらず、決まり次第、このブログ、またはAPFSサイトでお知らせいたします。傍聴者の存在は大きなパワーとなります。傍聴のご協力よろしくお願いいたします!
 

2013年4月5日金曜日

APFS被災地支援プロジェクト(第4弾) 2日目

4月4日(木) プロジェクト2日目

本格的に活動開始です。岩手県陸前高田市、滝の里仮設住宅にて、仮設住宅の窓ふき(午前)、プチリラックスタイム(集会所での足湯等、午後)のお手伝いをしました。

午前中は86棟の仮設住宅の窓ふきをしました。窓を拭く際に、APFSの外国人メンバーは積極的に住民の皆さんに声をかけていました。一声かけることで交流が始まります。
被災直後から現在までの記録(写真、新聞記事)をわざわざ家から持ってきて見せてくださったおじいさんがいました。 おじいさんは、家族が帰ってくる夜までは、家に一人で、することがなく、交流することをとても楽しみにしている様子でした。パキスタン人メンバー・ミルザさんがお話を聞きました。交流をとても喜んで下さり、ブログにその様子をアップするとおっしゃっていました。

また、子どもたちとバングラデシュ人メンバーJOYさんの間にも交流がありました。午後の「プチリラックスタイム」に来て欲しいと熱心に声をかけていました。JOYさんが流暢に日本語を話す様子は子どもたちに新鮮に映ったようです。また、JOYさんが積極的にコミュニケーションを取ることで、震災後のショックでお家から出ることができなくなっていた子どもが、玄関まで出てきてくれて、子どもがどんな様子かを地元の方にお伝えできたという出来事もありました。


午後はプチリラックスタイムで、お茶っこ(岩手県でお茶をすることを「お茶っこ」とに言います)をしながら、子どもたちには工作を教え、大人たちには足湯を楽しんでもらいました。

APFSの6名の外国人メンバーは足湯を担当しました。6名のメンバーは長年の日本での生活を通じて、つぼを心得ているようでした。丁寧に高齢者の足をもみほぐすことで、気持ちいいと多くの方に喜んでいただきました。
イラン人メンバー、マジッドさんはサッカーやバレーボールで子どもたちと遊んでいました。自分の子どもとも日常的にバレーボールをしているマジッドさんのボールさばきは見事でした。陸前高田市にはグラウンドがなく、子どもたちは仮設住宅の間の狭い道で運動をせざるを得ず、フラストレーションが溜っているのではないかと感じました。


今回のプロジェクトを通じ、被災直後とは違う問題が今起きていることが見えてきました。被災直後は、被災者の皆さんは毎日食べること、生きることに精一杯の状況にありました。しかし、2年経った今、「寂しさや辛さがこみあげてきて、ようやく涙が流れるようになった」とおっしゃっていた方もいました。午前中に窓ふきをした仮設住宅の窓からは仏花やお供え物が見え、家族を亡くされた方が多くいることも窺われました。

今回の滞在において私たちに何が出来るかを考えさせられた一日となりました。


★おまけ
宿泊費の節約のために、今回のプロジェクトでは自炊をしています。宿のキッチンはカレーのにおいであふれています。
この日のメニューはスリランカ料理(牛肉のココナッツとスパイスの煮込み)とパキスタン料理(キーマカレー) でした。キッチンでは誰が何を作るか、激しい議論が連日続いています。
大根コンプロジェクトの皆さまと食卓を囲みましたが、未知の味を楽しんでいただいているようです。

APFS被災地支援プロジェクト(第4弾)始動しました


APFSでは、東日本大震災発生後、2011年3月~5月末 まで、外国料理の炊き出しを中心とした被災地支援プロジェクト(第1弾~第3弾)を行ってきました。その後、しばらく被災地支援は行っていませんでしたが、もう一度何らかの形で被災地に貢献をしたいという思いをずっと持ってきました。

日本に長年暮らしている外国人として日本社会(被災地)に貢献したいという思いを具体的な形で表すために、APFSでは被災地支援プロジェクトを再始動させました。

2013年4月3日(水)より、イラン、スリランカ、パキスタン、バングラデシュ、フィリピンの5ヶ国6名が 岩手県陸前高田市・大船渡市にて被災地支援活動を行っています。震災後から現在に至るまで、被災地で活動を続けている大根コンプロジェクト(岩手県西磐井郡平泉町)の皆さんのご協力の元、支援活動をすることが出来ています。
本ブログで被災地支援の様子を随時お伝えしていきます。

2013年4月1日月曜日

スラジュさん事件報告会

2013年3月31日、スラジュさん事件報告会を池袋の生活産業プラザで行いました。

弁護団からは飯田健太郎弁護士にお越しいただき、事件のこれまでの法的動き、特に国家賠償請求訴訟の内容を簡潔に分かりやすくお話し頂きました。
スラジュさんの奥様やスラジュさんの友人からは、生前のスラジュさんとの思い出をお話しいただきました。奥様は、事件から3年たったがこの3年はあっという間のようでもあり、つらく長い時間でもあったとお話しされました。

参加者は50名ほどでした。より多くの方にこの事件を知って頂けるよう、参加者の皆さんと支援の輪を広げていこうと思いを新たにする機会となりました。

APFSは引き続き真相究明のために活動していきます。皆様のご協力、よろしくお願いします!

2013年3月22日金曜日

スラジュさんが亡くなって3年・・・

今日からちょうど3年前、スラジュさんは強制送還中に亡くなりました。

送還の様子を撮ったビデオを見ましたが、スラジュさんはあの日、とても冷静に、しかし確固とした意志を持って、日本にいたい、奥さんと一緒にいたいということを入管職員に訴えていました。暴れたりしたわけではありませんでした(ビデオの一部は次回5月13日(月)国賠訴訟で放映されます)。日本での在留を望んだだけのスラジュさんがなぜ死ななければならなかったのか、私たち支援団体は奥様とともに今後も事件の真相究明に全力を尽くしていきます。皆様もご支援のほどよろしくお願いします!*前回投稿しましたが、スラジュ報告会が3月31日(日)に開催されます。ぜひご参加ください。

写真は代々木上原にある東京モスクです。スラジュさんの奥様から今日、メッセージとともに送られてきました。忙しい一日の中で、ほんの少しでも彼のことを思い出してほしい旨の内容でした。モスクでスラジュさんのことを思い出していたのでしょうか。思い出しすぎて、つらくなりませんように。。。

 

2013年3月8日金曜日

スラジュさん事件報告集会を行います

今年3月でスラジュさんが亡くなってから3年になります
(スラジュ事件の詳細はこのブログで過去の投稿をご覧ください(「スラジュ」でラべリングしてあります))。

3年という月日が経っても、この事件の真相究明は遅々として進んでおらず、それどころか、月日とともにこの事件への関心が薄れていくことが危惧されています。また、法務省は昨年の会見で、入管職員の行為に違法性はなかったと発表し、一時的に停止されていた強制送還は再開されました。

APFSでは3周年というこのタイミングで、以下の日程でスラジュ事件の報告集会を行うこととしました。この事件の事件のこれまでの経過、問題点、今後の展望などを参加者と共有していきたいと思っています。


日時: 2013331日(日)午後6時~8

場所: 豊島区立生活産業プラザ(池袋駅東口より徒歩7分)

参加費: 1000円(資料代含)

言語:日本語 
 
皆様のご参加お待ちしております。
(ご関心お持ちのご友人やご家族にもお声掛けいただければ幸いです)

2013年1月23日水曜日

ボランティアの感想

こんにちは。
昨年10月末よりボランティアをさせていただいている三浦です。

大学の社会学部で多文化共生をテーマにしたゼミに所属しており、フィールドワークでA.P.F.Sを訪問したことがきっかけで、ボランティアをさせていただいています。

ボランティアを始めてから、アジアンフェアやA.P.F.Sの25周年記念パーティーなどのイベントにも参加し、たくさんの外国人の方々と交流させていただいています。
一方で、スラジュさん事件の裁判や非正規滞在者によるパレードといった活動を通して、当事者の方々の辛い現状を目の当たりにし、日本の外国人受け入れ体制や多文化共生のあり方について、日々いろいろなことを考えさせられます。
また、ボランティアの方を含め、外国人の方々と直接関わることで、学校での講義や教科書からは知ることができない生の声を聞くことができ、研究テーマに一層興味を持って取り組ませていただいています。

横浜で育った私にとって、外国人の方々は身近な存在です。ボランティアを始めてからまだ日は浅いですが、日本で生活する皆さんのお力になれるよう、精一杯お手伝いさせていただきます。

今後ともよろしくお願い致します。