2016年12月14日水曜日

スラジュさん奥様からのメッセージ

スラジュさん事件国賠訴訟は11月9日付で上告が退けられました。
その後、支援者の皆さんへのメッセージを奥様にお願いし、つらい気持ちでいっぱいの中、奥様から以下の気持ちをお伝えいただきました。以下、共有いたします。


これまでスラジュ事件にご関心お持ち頂きありがとうございます。

  上告審は最高裁 菅野博之裁判長が2016119日付けの決定で遺族の上告を退け、遺族の逆転敗訴とした東京高裁判決が確定しました。

 夫が亡くなってから6年以上が経ちました。裁判は夫の死と向き合わなくてはならず、とても辛く度々挫けそうになりました。それでも傍聴席に足を運んで下さる皆様のお姿に励まされ、皆様の励ましのお言葉に勇気づけられこれまで進んでくることができました。皆様のご支援がなかったらこれまでの長い道のりを進んでこられなかったと思うと深い感謝と感慨の念でいっぱいです。

 夫が戻ってこないとしても、せめて夫の死が無駄にならないように、二度と同じような過ちが起こらないようにとの思いでこれまできました。しかし皆様のご支援にもかかわらず、真相究明まで届かず、このような結果に無念でなりません。皆様と一緒に正義の為にここまで来たのに、高裁判決が残した大きな問題点を再審議する必要はないという最高裁の判断には、大変な苦痛と不安を感じています。

 しかし結果は無念でも、これまで様々な事が分かり、地裁法廷では夫の送還ビデオテープが開示され、夫の送還に立ち会った入管職員6人に対面できた事は遺族にとって大きなものとなりました。皆様のおかげで入管職員の夫への制圧行為と夫の死亡との因果関係が認められ、地裁を勝ち取れた事は、法務省と入管に少しでも爪痕を残せたと思います。

 今後これ以上犠牲者を増やさせないようにする為には、事件を起こした当事者である法務省と入管に夫の死を決して忘れさせてはいけないと考えています。一生傷は癒える事はないと思いますが、「みんなを助けたい。」と言っていた夫の意志を継いで活動を続けて行きますので、よろしければ、皆様にスラジュ事件を未来永劫語り継いで頂ければと思います。

 皆様には長い期間に亘り多大なるご支援を頂きまして心より感謝しております。本当にありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。

どうぞ今後もアブバカル・アウドウ・スラジュを一瞬でも思い浮かべて頂ければ幸いです。

 年末に向けてご多忙のことと存じます。皆様どうかご自愛専一になさってください。


                       
スラジュ妻より
                               2016年 12月