2014年2月5日水曜日

スラジュさん国賠 結審 (原告奥様の意見陳述)

2月3日(月)、スラジュさん事件の国賠訴訟が結審しました。
傍聴席は満席で、控室にて20名程度の傍聴希望者が待機という状況でした。
今回は最終弁論でしたが、原告のみの弁論で、被告側の弁論はありませんでした。

最初に原告奥様からの最終意見陳述がありました。

スラジュさんがイラストを書く時の様子やそば好きのスラジュさんが馴染みで通っていたお蕎麦屋さんでのエピソード、桜の咲くころによく散歩した公園での二人の会話など、スラジュさんとの思い出がたくさん詰まった意見陳述を聞いて傍聴者の中には涙をおさえることができない方もいるほどでした。

冒頭で奥様は「心のよりどころを失って私の時間は止まったままです」と述べました。
奥様の時間が少しでも早く動き出せるように、よりよい判決が出ることを願わずにはいられない陳述でした。

(弁護団の弁論、及びその後の報告会については近くご報告いたします。)

 

2014年2月4日火曜日

被災地復興支援に尽力したダンテさん、再収容される

2014年1月20日、ダンテさんが東京入国管理局に(再)収容されました。

ダンテさんは違法状態のままではいけないと思い、
東京入国管理局に出頭をしました。
在留は認められず、その後、退去強制令書発付取消の訴訟も提起しましたが、
訴訟でも敗訴となりました。
訴訟で敗訴した以上、仮放免を続ける理由がないというのが東京入国管理局の言い分でした。

ダンテさんには日本に家族こそいませんでしたが、
日本に20年以上居住する中で、日本語をよく理解し、
建築関係の経験を活かして、日本で暮らしていきたいと願っていました。

右端がダンテさん
ダンテさんは、岩手県陸前高田市(2011年5月)、伊豆大島(2013年11月)と
APFSが主催した「被災地復興支援ボランティア活動」にも2回参加しました。

ダンテさんは身体が大きくて、口数の少ない大人しい人でした。
誰よりも力持ちで、復興ボランティアにおいて大活躍をされていました。
なぜ、被災地支援に参加してくれるのかを訪ねたときに、

「第二の母国である日本のために力を尽くしたい」と言っていたのが印象に残っています。

収容後、ダンテさんに面会し、
過去に再収容後も仮放免が認められた例なども紹介し、
話をしましたが、ダンテさんは帰国を決断されました。
「もし、子どもがいれば耐えられるかもしれないけど、
一人では収容には耐えられない。」と言っていました。

ただ、「本当は残りたい」とつぶやかれていて、何ともいたたまれない気持ちになりました。

東京オリンピックの開催に向けて、
新たに建築労働者を日本政府は時限付きで受け入れる方針を掲げています。
果たして、政府が予想しているとおりに労働者は動くでしょうか。
新たな人を受け入れる前に、日本語をよく話し、建築関係の経験が豊富なダンテさんを活用することがなぜ出来ないのかと憤りを感じています。

ダンテさんの今後に少しでも良いことがあるよう願わずにはいられません。

2014年1月25日土曜日

ボランティアの感想(谷口さん)

はじめまして。2013年の7月よりボランティアとしてAPFSの活動に携わっている谷口と申します。APFSの存在を知ったのは、2011年6月に、大学の授業の一環で事務所を訪れたことがきっかけでした。そのとき、APFSの活動に参加していらっしゃる、あるバングラデシュ人男性の話を聞き、日本人以上に日本のことを考えてくれているのではないかと思うほど熱心に話してくださる様子に心を打たれたのを今でも覚えています。

私たち日本人は、「外国人」という存在にどのように向き合っているのでしょうか。 APFSでの活動、そして国内で外国人「問題」として扱われる物事を通して、どうしても「他者」としての見方が強いのではないかと 感じています。

しかし「外国人」は決して一枚岩ではありません。APFSの事務所に来られる方々も非常に多様です。私は、「外国人に厳しい」と言われるこの国で実際に悩みを抱える人々の様子を見て刺激を受けるとともに、現在語られる「多文化共生」とは一体何なのだろうと日々考えさせられています。
マジョリティとして日本に生きる我々「日本人」が、彼らとどのように向き合い、本当の意味での「共生」が可能になるのか、こちらの団体での活動を通して今後も考えていきたいと思います。

2013年10月25日金曜日

スラジュさん国賠第12回期日終わりました

10月23日(水)10時より第12回国賠期日が行われました。午前中はスラジュさんの死因とされている心臓疾患(心臓房室結節の嚢胞状腫瘍:以下、CTAVNという)の専門医師の尋問、そして午後からはスラジュさんの死因を断定した医師の尋問、そしてその後原告であるスラジュさん奥様の尋問となりました。

今回の注目は、当初は不明であったスラジュさんの死因を、スラジュさんがもともと罹患していたというCTAVNであると2年以上経た再鑑定で断定した池田医師の尋問でした。

池田医師は尋問当初からCTAVNが100%確実な死因と断言しました。窒息死と判断するのは他に明らかな死因がないというのが条件の一つであって、今回は明らかな他の死因(CTAVN)があるのだから窒息死ではない、と話しました。しかしCTAVNに罹患しながら90才ぐらいまで生きた例もあり、CTAVNにかかっていること=今回の死因がCTAVNによるもの、となぜ断言できるのかと問うと、「彼が死んだから」と述べ(!?)、医学的なことは分からない私たちが聞いても全く説得力に欠けた内容でした。
また、「CTAVNがあるのだから他の死因など検討しなくてもいい」、「あの時に死ぬのが彼の寿命だった」など、かなり乱暴な発言もあり、傍聴席からは批判の声が挙がる一幕もありました。
池田医師のこれらの発言から、スラジュさんの死因へのますますの疑念が、傍聴者皆さんで共有されたように感じました。

その後の奥様の尋問では、「(前回の入管職員の尋問内容などから)夫が人として扱われていないと感じた」、「こんなつらい思いをするのは私を最後にしてほしい」など、裁判長に一番伝えたいことが奥様本人の口から直接述べられました。



裁判後の報告会では、弁護団のほうから、今回の尋問では弁護団が望んでいた内容の発言がおおむね引き出せたとの報告があり、次回の最終弁論に向けて突き進んでいく考えが共有されました。

次回最終弁論は2014年2月3日(月)15時より705法廷(法廷は変更の可能性あり)で行われます。
ぜひ、皆さんお誘いあわせの上、最終弁論の傍聴協力、よろしくお願いいたします。

(写真は報告会での弁護団の様子)



 

2013年10月18日金曜日

ボランティアの感想(趙さん)

趙憲来と申します。日本生まれの在日韓国人三世です。APFSには、3カ月程前からボランティアとして参加させて頂いております。この間、外国人向けの健康診断やグローバルフェスタなどの催しに参加させていただき、様々な国籍の人たちと接する機会を得ました。僅かな時間ですが、これまで余り馴染みのなかったネパールやバングラデシュ、ミャンマーの人たちと交流することができ、とても新鮮な経験となりました。

APFSの存在を知ったのは10年余り前、ちょうど非正規の外国人に対する取り締まりが盛んにおこなわれていたころです。当時私にも非正規滞在で逮捕拘留された中国人の友人おり、収容先に面会に行っていました。確かにオーバーステイは違法行為に違いないのですが、面会室のガラスの向こうで日増しに憔悴していく彼の姿に「日本で働きたいだけの人に、ここまでしなければならないのか」と疑問に思っていました。ですので、APFSが「在留特別許可を求めて非正規滞在者を一斉出頭させる」というニュースに接した時には強い共感を覚えました

異国で暮らす外国人にとって、安定した在留資格は、将来を考える上でとても大切です。現在、オールドカマーと言われる私たち在日コリアンには、「特別永住」という比較的安定した在留資格があります。指紋押捺の必要もありませんし、登録証の携帯義務もありません。しかしこれも初めからそうだったわけではありません。最初に声をあげた人がいて、それを支援する多く人たちによって得られたものです。

遅まきですが、私も子供の手が離れ少し自分の時間が持てるようになりましたので、今後は日本で暮らす外国人、特にニューカマーと言われる人たちのために何かできることがあれば、微力ですがやっていきたいと思っています。

2013年10月9日水曜日

スラジュ国賠訴訟次回期日の日程について

いよいよスラジュさん事件国賠次回期日(10月23日(水))が迫っております。
APFSサイトで、すでにお伝えしておりますが、次回は傍聴券は不要となりました。
直接法廷にお越しください。

当日の日程詳細は以下になります。
スラジュさんの心臓を鑑定した医師などの尋問です。
より多くの方の傍聴協力をよろしくお願いいたします。また、裁判終了後に
(17時~)弁護士会館にて当日の尋問内容を報告する時間をとりますので
傍聴と合わせてご参加ください。
 
 ☆スラジュ事件国賠訴訟 第12回期日☆

 日 時 : 2013年10月23日(水)10時から16時半頃まで
 当 日(予定):開廷 10時
          田鎖医師尋問
          午後開廷 13時半
          池田医師尋問
          原告本人尋問
           閉廷   16時半頃     
 場 所 : 東京地方裁判所 706法廷

2013年9月14日土曜日

スラジュ事件報告:入管職員の尋問終わりました

9月13日(金)10時より、国賠訴訟第11回が行われました。今回は送還に同行していた入管職員の尋問ということで、朝9時15分ごろにはすでに傍聴券を求める人の列ができ始め、傍聴席の定員を超えたため抽選となりました。

入管職員5名の尋問では、それぞれの職員が事件直後などに供述している内容と現在の主張との矛盾点などを、弁護団の先生が鋭く突いていきました。こちらが主張している体位性窒息を意識してか、入管職員たちは「前かがみ」について非常に慎重に証言している(偽証している?)ように見受けられました。

また、全ての職員の受け答えから感じたのは、事件当時、被送環者であるスラジュさんへの配慮がまったくなかったということです。
2度目の強制送還だった(1度目は失敗)ため失敗したくなかったと述べる職員(送還の成功が最優先で命は二の次に感じられたのでしょうか?)。以前強制送還時にアフリカ人が暴れた事件があったため注意が必要と思ったと述べる職員(こうしたアフリカ人に対する偏見がスラジュさんに対する乱暴な扱い→死亡事件につながったのではないでしょうか)。スラジュさんの反応がなくなった時に脈を確認できなかったが、演技をしていると思い機内での救護措置は取らなかったと言う職員(演技で脈を止められるわけがありません)。こうした全ての無配慮がスラジュさんの死亡事件につながったと言えます。

今回明らかになった送還のこのような実態はスラジュさんの強制送還においてに限ったことではなく、普段の送還の中でも行われているのです。スラジュさんの死亡事件を契機にこうした送還実態が改められなければ、現状の非人道的な送還を見直す機会が失われてしまいます。この国賠はそういった意味で非常に大きな意味を持つものと実感しました。

次回期日は10月23日(水)です。スラジュさんの心臓を鑑定した医師などの尋問です。次回も10時からスタートで傍聴券配布になる予定です。日程等の変更情報は、APFSサイトなどでアップします。次回も、傍聴のご協力、よろしくお願いいたします。

(写真は裁判後の報告会の様子)