2013年5月15日水曜日

スラジュさん事件国賠第9回期日がありました。

 5月13日(月)15時半~東京地裁706法廷にて、スラジュ事件国賠訴訟第9回期日が行われました。傍聴席は満席となり、座りきれない方が外で待っている状態でした。

 今期日では原告側(スラジュ弁護団)の主張が行われました。今回は映像等が視聴できる法廷であり、弁護団はパワーポイントを使ってスラジュさんの送還状況に関する主張の補足、入管職員の行為の違法性、そしてスラジュさんの死因などについての主張を分かりやすく説明しました。その後、それらを裏付ける証拠として、スラジュさんの送還を撮影したビデオの放映をしました。
 放映されたビデオの内容は、航空機のそばに停めたワゴン車から入管職員がスラジュさんを機内に連れて行くほんの5分ぐらいの核心部分だけでしたが、スラジュさんはまったく暴れてはおらず冷静に日本語を話し、そのような状態であったにもかかわらず入管職員は最初から計画していたかのように速やかに足に手錠をかけ、スラジュさんを数人で抱え上げ機内に運び込みました。入管職員の言う、スラジュさんが暴れたために取った行為であるという主張とはかけ離れたものでした。

 数分のビデオ放映でしたが、傍聴者の皆さんはスラジュさんが送還される様子を固唾を飲んで食い入るように見ていました。話として聞いていても、映像で、現実としてスラジュさんの送還状況を見るのは傍聴者皆さんにとってショックだったに違いありません。スラジュさんの従兄弟も裁判を傍聴していましたが、最期のスラジュさんの姿を見ていられなくなり、途中で退室してしまいました。

 
 ビデオ放映の後、裁判長から今年度中の判決を希望するならば早急な尋問を計画し、事実の確定を急ぐよう言葉がありました。被告である国側が、医師の意見を得るために3か月は欲しいと発言しましたが、それに対し裁判長自ら「待てません」と明言しました。

 
 
 裁判後は今回の主張の内容について別室にて質問の時間を取りました。多くの傍聴者がそのまま残り、多くの質問がでました。今後の裁判に有効な意見が出る場面もありました(写真は別室での様子)。

 次回の期日はまだ決まっておらず、決まり次第、このブログ、またはAPFSサイトでお知らせいたします。傍聴者の存在は大きなパワーとなります。傍聴のご協力よろしくお願いいたします!