2011年3月29日火曜日

バングラデシュカレー500食提供活動を終えて(加藤丈太郎)

加藤丈太郎(A.P.F.S.代表理事)

A.P.F.S.は「国境をこえて、共にいきる」という理念を掲げて活動をしています。今回の活動はまさに、A.P.F.S.が目指している理念そのものでした。

今回の活動は、理事のハッサンさん(バングラデシュ出身)の「国関係なく、みんなで助けたい」という強い思いから実現をしました。ハッサンさんの猛プッシュもあり(笑)、バングラデシュカレー500食提供活動は驚異的なスピードで立ち上がりました。3月24日(木)活動発案・調整開始、3月25日(金)活動決定・仕込み、3月26日(土)出発、3月27日(日)活動というスケジュールでした。NGO/NPOだからこそ、この短期間で実現出来たのだと改めて思います。

不眠不休でハッサンさん、勝田ひとみさんをはじめ、パドマ(イタリア・バングラデシュ料理)の皆さんが仕込みをやってくださいました。皆さんのチームワークとガッツは本当にすごいです。

また、今回の活動は加藤の学生時代の友情が実を結んだものでした。現地で調整を色々としてくれたのは、岩手県職員女鹿智恵さん。女鹿さんは大学院時代、国際関係学を学んでいた頃の同期です。25日(金)はほぼ一日中、女鹿さんと電話をしていました。こちらの思いを汲み取り、きっと調整で大変なこともあったはずですが、最後まで笑顔でやりきってくれた女鹿さんに心から感謝をしています。

避難所の中を周り、被災者の皆さんとお話をさせていただきました。
○旦那さんが波にさらわれたけど、旦那さんの分まで懸命に生きようとしているおばあさん。
○被災した親戚を助けるために北海道から岩手まではるばるやってきた中学生。
○自分も被災したにもかかわらず、地域の人のために昼夜献身的に働いている町会の方々。
皆さん、とても大変なはずなのに、一生懸命お話をしてくださいました。

避難所生活はストレスが溜まると言われていますが、みんなが協力をして、輪を作って、励まし合って生きていました。大船渡市の人の強さを感じました。きっとこの人たちなら、復興できる。そう思いました。気が付くと、自分の方が励まされていました。

カレー提供活動の終盤、自然とこんな言葉を皆さんにつぶやいていました。「国難の時期、みんなで力を合わせなきゃ。東京も頑張ります。お互い頑張りましょう。」原発問題、計画停電、買い占めパニックなど東京が抱える問題も小さくはありません。しかし、最も被害を受けた東北のことを忘れてはいけないと思うのです。

「国境をこえて、共にいきる」、今、この理念が求められていると思います。ハッサンさんのように日本のことを誰よりも考えている外国人もいます。今回限りで終わっては自己満足です。次、A.P.F.S.として被災地に何ができるのか、考え、実践していきます。

「大船渡は本当はとても美しいです。ぜひ復興したら遊びに来てください。」と何人もの方が言ってくださいました。また、必ず戻りたい、そんな気持ちを強くしました。