2011年3月29日火曜日

バングラデシュカレー500食提供活動を終えて(勝田ひとみ)

勝田ひとみ(A.P.F.S./パドマ)

私を含めて、東京でテレビを見ている人は「やりたい(現地に行って支援したい)」という気持ちはあると思うけど、すぐに実現できることではなかった。東京にいるとすごくもどかしい。何をしたらいいのか分からない。今回たまたまこういうチャンスで行けたことがありがたかった。



―準備は大変でしたか。
量が多いし、単純に時間がないし(行くことが決まったのが3/25、出発が3/26)、流通も不自由で材料の仕入れも大変だった。自分は大変だけど、それ以上に、自分よりも大変な人達がいるので、それほど苦ではなかった。もし、これが普通の(営利目的の)イベント・仕事だったらやってられないと思ったけど。


―出発から現地に着くまではどのような気持ちでしたか。
私の中でも興奮していた部分がある。道のりは長かったけど、身体は疲れなかった。道中のガソリン(の給油制限)であったり、荷物が重たかったりで、道も悪かったので、そういうのが心配だったのはあった。(現地に)時間どおりに着けないと、迷惑がかかるのでそれが心配だった。


―現地の被災の様子を見て感じたことは
テレビでは毎日そういう様子を見たんだけど、実際そういうのを目の当たりにすると、何というか、何だろう、何なのかな、ショック。私たちは大変だなと思う だけだけど、現地にいる方は今までの人生で築いてきた家財道具が流されて、片づけて、自分たちの家を確保しなければならない。気の遠くなるような作業だと 思う。大した力にはなれないかもしれないけど、私でも役に立てたらと思う。


―現地で一番印象に残っていることは。
現地の人達の助け合い精神。東京では水の買い占めだとか、「米がない」とか、「牛乳がない」とか言っている。向こうでは水があるわけでもないのに、「水2本くれるよ」と(給水車の人が)言っても、「1本でいいよ。他の人に分けてあげて」とみんなで助け合っているのがすごく印象に残った。東京は(物資の)争奪戦という感じなのに。(現地は)助け合っているのに感銘を受けた。例えば、あちらの方がホッカイロを私たちにくれたり、避難所で塩結びやかもめの卵をいただいたり、そういう気持ちがありがたかった。あっちの人から励まされたり、逆に応援してもらったりして、逆に励まされた。


―岩手県大船渡市の皆さんへ一言
体育館も灯油ストーブがあるとはいえ、床がしんしんと冷えてくる感じがあった。2週間経ったので、最初の頃の緊張感もとけて、疲れがどっと出てくる頃だと思うんですけど、あちらの方が、こうなっちゃったけど、前向きな方向に考えている方が多かったので、それを頑張っていただきたいし、少しでも役に立っていただけたらなと思いました。結構(皆さんが支援者に対し)謙虚なんで、皆さんもっと言っていいと思う。


―これから勝田さんがやっていきたいことは。
テレビでは連日見ているけど、実際現場に行ってきて、現場の様子を直に見れたので、見たり、聞いたり、感じたことをこちらの人に伝えたりすることだと思う。今、(自分が経営している)お店に写真を貼って、お客さんに話をすると、皆さん聞きたがる。少しでもこちらの方に伝えられたらな。もう一度、機会があれば、炊き出しもやりたい。