2014年4月18日金曜日

[スラジュ事件]検察審査会申立てしました

 本日、スラジュさん奥様が申立人となり、スラジュさんの送還に同行していた
 入管職員9名を被疑者とする検察審査申立書を千葉検察審査会に提出して
 きました。

 皆様からご協力いただいた「入管職員の起訴相当議決を求める嘆願書」は
 1925筆となり、申立書とともに添付資料として審査会に提出しました。
 ご協力いただきました皆様本当にありがとうございました。

 ご存じの通り、先日の国賠地裁判決では入管職員の制圧行為の「違法性」と、
 制圧行為とスラジュさんの死との因果関係を認めました。2012年7月に千葉
 地検が出した「嫌疑なしの不起訴処分」の判断は不当と言わざるを得ません。
 スラジュさんを死に追いやった入管職員の刑事責任をきちんと問い直し、
 起訴処分とされることを望みます。

 今後は、この審査会の申立結果を待ちながら、民事の控訴審を続けていく
 形になります。引き続きご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

(写真は申立て後に行われた千葉弁護士会館での記者会見の様子)

2014年4月11日金曜日

ボランティアの感想(福本修さん)一年を振り返って―断想ひとつ― 

昨年4月から退職を機に、知人を通してAPFSを紹介され、週一度のボランティアをはじめている。事務作業を中心に、スタッフの活動の「後方支援」といったところである。その中でスラジュさん事件国賠訴訟やフィリピン人高校生M君とその母親をめぐる問題などに触れえたことは、やはり新鮮な「驚き」とともにさまざまなことを考えさせられている。もとより、私の「経験」などAPFSの長年にわたる活動全体からみれば、そのほんの一端の、さらに上っ面のことに過ぎまい。エラそうなことはとても言えない。

それでも「神は細部に宿る」ことが真実であるのならば、この一年足らずの「経験」から学んだことにも少しは意味もあろうというものだ。その一つを記させていただく。
それは、相も変らぬこの国の無残な姿に他ならない。オールドカマーとしての在日コリアンへの対応がそうであるように、グローバル化の中で来日したニューカマーと呼ばれる人々もまたその多くがモノ扱いなのだ。ここで思い出されるのは、自身ナチスの手から逃れてきた難民(displaced person)の一人であったH・アレントの言葉である。彼女は、「普遍的人権」を標榜する近代国民国家が、現実には己が「国民」の権利保障に汲々とし、その外に生きる他者たちの人権など埒外のこととして無視し、放逐してやまない欺瞞をものの見事に衝いていた。それから60年以上のときが経っている。にもかかわらず、普遍主義の成り立ち難いニッポンの精神風土のただ中にあって、スラジュさんもM君も、そうしてそのお母さんも真っ当な「権利主体」であるどころか、ただ単なる「管理対象=客体」にすぎないではないか。

ここには植民地支配の負の遺産から何一つ学ぼうとしない歴史意識の決定的な欠如が明らかだろう。そうして今や、支持率の高さに支えられた安倍政権の下での一連の出来事―沖縄基地問題、靖国参拝問題、教科書・教委問題等々―、さらにはヘイトスピーチから浦和レッズ横断幕事件etc.・・・。まったく暗澹たる気分におちこむばかりだ。

しかし、そうだからこそ、「人間の権利」の歴史的展開をふまえ、「人権の普遍性」と「文化の多様性」との微妙な「塩梅」をはかりながら地道に活動を続けていくことにネウチがあるのだと思うのである。

2014年4月7日月曜日

スラジュさん事件 検察審査会への署名協力お願いいたします

 スラジュさん事件続報です。

 今回、国賠訴訟の地裁判決にて入管職員の制圧行為の違法性と
 スラジュさんの死との因果関係が認められたことを受け、これまで
 ペンディングになっていました検察審査会への申立てをいよいよ
 行い、同行していた入管職員の強制起訴を求めることとなりました。
 
 日程はまだ確定していませんが、遅くとも今月末までには申立てを
 行います。
 
 
 
 申立てとともに以前からお願いしていた検察審査会宛の署名の
 提出も行います。再度、署名集めへのご協力をお願いいたします。
 署名の締切につきましては、申立て日程が決まり次第、ご報告し
 ます。
 
 
 近日中にAPFSサイト(http://apfs.jp/)にて、署名用紙のダウンロード、
 ネット署名ができるようになりますので、ご利用ください。

 引き続き、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。